好きなもの、好きなこと

好きを言葉にする。残念なアラサー。

28

 まもなく28歳が終わろうとしている。私は早生まれだ。同級生のほとんどはこの2018年、平成30年に30歳を迎える。だから私もてっきり30歳になる気でいた。ところがまだ29歳になるところだったらしい。ただの勘違いだけれども少し得した気分だ。(4月生まれの友人いわくこれはとんでもない喧嘩をふっかけていることになるらしい…。ごめんね♡

 

 26歳になった時に30歳が近いことを自覚し、身構えた。26だろうと27だろうと30みたいなものだと思い続けていたからか、正直まだ30歳にならないのかと思う。その一方で誕生日を祝わなければ年齢を重ねないのではないかというよくわからない考えが生じて、できるだけ誕生日をアピールしないで静かに誕生日を過ごすようにしていた。年齢に前払いのシステムはないけれども、私は26歳になるときにまとめて30歳になった気すら起きていた。1分、1日、1ヶ月を積み重ねて1年を数えるのに、何年か分の年齢をまとめるなんて何と無意味な考えなんだと書いていて自分でも思う。お金のような感覚で年月を捉えてはいけない。

 

 28歳をあまり意識しないでいたけれども、せっかく28歳とお別れすることを意識したのでこの機会に28という数字について何か書いておこうと思う。

 

 28について何で何を調べたらいいのかわからないから、とりあえずネットで『28』と検索してみた。完全数というものらしい。一通り数学は習ったはずなのに全く知らなかった。完全数とは『自身の数を除いた正の約数の和に等しくなる自然数』のこと。28=1+2+4+7+14ということみたいだ。28の次の完全数は496なので人間の年齢として通過できる最後の完全数のようだ。途端に『28』に価値があるかのように思えてきた。

 

 28といえば、『28』というタイトルの曲を知っている。GONTITIさんの曲だ。この曲と出会ったのはじょんひょんのラジオだ。熱心なリスナーではなかったけれどもなかなか寝付けないときに聴いていた。MBCのアプリで聴いているとその日のラジオで流された曲目が表示される。何度か『28』を見かけた。同じ曲を頻繁にリクエストする人がいるのかと不思議に感じていた。曲こそ知らなかったけれども、GONTITIさんの存在は知っていた。そういえばこのようなInstrumentalを熱心に流すラジオではないぞと思い、いつどのタイミングでこの曲が流されるのかを調べてみた。何曜日かの、とあるコーナーの時のBGMとして流されていたとわかった。

 そして私はこの曲がなぜ『28』というタイトルなのか気になったので検索した。一番上に表示された答えによれば、《高校生の頃に好きだった人に28年ぶりに再会して過去について彼女に尋ねたらそんなことは流してくれといわれて、この28年間は何だったと愕然してできた曲》だそうだ。だからあんなに懐かしくて切なくて暖かい音がするんだなと合点がいった。

  この方が想い続けた年数分を私は生きたんだなと想像を巡らせてみたけれども、よくわからない感覚だった。オギャーと生まれたその日から間も無く迎える誕生日までの間、一途に想い続けたものって何かあるのだろうか。または今から56歳まで何か想い続けられるものってあるのだろうか。想い続けたからこそ生み出された音はとても心地よいものだ。どうか未来の自分に28年間想い続けている何かがありますように。

 

 

 節目でも何でもない、約30にまとめられてしまう28をあと少し、精一杯堪能しようと思う。