好きなもの、好きなこと

好きを言葉にする。残念なアラサー。

後ろのポケット

 全然ファッションに詳しくないしオシャレでもないこの私が、最近プチプラでテーパードパンツを買う時に欠かさず確認することがある。

 それは後ろのポケットがついているかどうかだ。

 

 加齢に伴い、時の流れを早く感じるようになったせいか、1年前か2年前か、はたまた3年前なのかははっきり思い出せないのだけども、ややハイウエストで腰にリボンを巻いていたあの辺りから、後ろのポケットはいなくなった。もう今では腰にリボンを巻いていないのに、後ろのポケットはいなくなったままだ。

 

 男性のようにカバンを持たず、後ろのポケットにお財布やスマホを入れたりするわけでもないから、カバンを持ち歩く女性にとっての後ろのポケットの存在意義は低いかもしれない。実際のところ、後ろのポケットがあるかを確認している私でさえも、そこに何かを入れているわけではない。

 

  ではなぜ、テーパードパンツの後ろのポケットがついているかどうかを確認するのか。

それはポケットがないとのっぺらぼうな感じがするからだ。見栄えの問題。

 

 ざっくりとした感覚的な問題なのだけど、あると思って30年近く生きてきたからか、ないことに慣れない。決してジロジロみてるわけじゃないんだけど、エスカレーターに乗ると目の前に人のお尻がある。ポケットがあると自然なことだから何とも思わないけれど、ポケットがないと『ないんだなぁ〜〜』と思ってみてしまう。

 

 存在意義が低く、コスパ命のプチプラな洋服だからこそポケットが真っ先に削られていくのかもしれない。でも安くてもポケットがあるものはある。袋はついていなくて線だけで、ポケットと呼べないかもしれないけど一応ポケットが付いているものある。

 

 そのうち、ないことが当たり前になるのだろうか。ないことに慣れるのだろうか。

なくなりかけてはじめて、後ろのポケットがあるほうが私は好きなんだと気付いたのでした。