好きなもの、好きなこと

好きを言葉にする。残念なアラサー。

우울시계(憂鬱時計)

じょんひょんが作ってIUさんが歌った曲。当時有名な歌手に自作曲を提供するだけあって結構大きく取り上げられ、音源が公開されてすぐに聴いたと記憶している。ずっと単調なメロディの繰り返しで初めて聞いたときは『IUさん歌うまーい』ってくらいの小学生のような感想しかなかった。(IUさんが欲しいっていった曲なんだから、そりゃいいに決まってるのに、、、当時の私は何を聴いていたのだろうか、、、もったいない!!!

 

先月のじょんひょんのソロコンサートで(ライブビューイングだけど)じょんひょんバージョンの憂鬱時計を聴いてから気になって気になって仕方がない曲になった。コンサートでの、ハンドベルを鳴らしてね、持ってない人は手拍子してみんなで参加してねって演出がスクリーンのこちら側も置いてけぼりにならず、ほっこりした気持ちになったからかもしれない。無関心だった曲から可愛い曲だなぁと印象が大きく変わった。とにかく歌っているときのじょんひょんが可愛いくて甘いの!!!何かに取り憑かれたセクシーじょんひょんだったのが嘘みたいに甘くて優しいの♡ コンサートが終わってから憂鬱時計をたくさん聴いた。年末年始もこの曲ばかり聴いていた。歌詞もじっくり読んでみた。聴けば聴くほど面白くてかわいくてどんどん好きになった。私は憂鬱時計のどこにそんなに魅了されたのか、(誰も興味ないと思うけど)たくさんの魅力を少しでもお伝えしたいと思う。

 

①憂鬱“우울”というワード

歌い出しいきなりの우울하다(ううらだ)。単に発音がかわいい。音にのってなくても、単語だけが可愛さを持っている。これは私の妄想だけど、(どこかでじょんひょんが言及してたかもしれないけど)じょんひょんって言葉そのものが持つ音を大切にしていると思う。따뜻한 겨울(暖かい冬)という曲でも『따뜻한(暖かい)』の発音が綺麗でかわいさを持っているような気がする。言葉そのものが持つ音って韻を踏むのと同じで歌にするとき、とても重要なのかなと思う。とにかく言葉の選択が素敵!!!

 

②時計の音

音源を聴くと時計の針の音が聴こえてくる。タイトルが憂鬱時計だけにありがちな演出なんだろうけど、邪魔せずに曲に馴染んでいてどことなく温かさを感じる。当然のことなのだけど、秒針って1秒ごとに刻まれるからこの曲の秒数と秒針の音が重なってるのが目で見てて面白い。

秒数を数えたいのに時計がなくて憂鬱時計が聞ける状況なら(そんな状況に遭遇することはなかなかないだろうなぁ〜笑)憂鬱時計が時計がわりになる、とっても便利だなぁ。(棒読み)

 

③歌詞での擬態語、擬音語

우울시계가 째깍째깍(憂鬱時計がチクタク)

휙휙 지나 가 (さーっと過ぎて行く)

 あいにく日本語以外の言語が全然できないので外国語にどのくらい擬態語擬音語があるのかわからないけど、あまり歌詞で見たことないから普通に面白いなと思った。『時計がチクタク』は大きなのっぽの古時計で聞いたことがあったけど、『さーっと過ぎる』って歌詞に遭遇したことはないと思う。あえてこういう表現をいれて可愛さを演出してるのかなと思う。

 

④突然の抽象表現

날카로운 감정의 기억이  무뎌진다 무뎌져

鋭い感情の記憶が鈍る 鈍るよ

네모가 닳아져 원이 돼

 四角が擦り減って円になる

 

 ここの歌詞がこの曲で一番好きなフレーズ。あ、じょんひょんの歌詞だって思うところ。具体的な憂鬱を並べてとても想像しやすかったのにここへきて『ん?』って首を傾げたくなる。感覚的なものを文字にするのが本当に上手。『鋭い記憶が鈍くなる』っていう言い回し、『忘れる、覚えている』では表しきれない曖昧さが出ていると思う。『鋭い→鈍い』を『四角→円』って置き換えるの、当たり前のことを言ってるだけなんだけど表現力がとっっても豊か!!!

 

⑤何もかもぜーんぶ憂鬱だ

 歌詞を読み進めると、いま憂鬱だとはっきり感じているけど、一時的なもので時間が経てばやがて忘れられるといいつつも、憂鬱だと鋭く感じていたのが鈍くなるのは憂鬱だといっている。憂鬱な気分は無くなってほしいの?そのままがいいの?どっちなの?!! 別に白黒はっきりさせることがこの歌のテーマじゃないから、このボヤボヤ感が最大のこの曲のテーマなんだろうなと思う。憂鬱なときって何もかもぜーんぶ憂鬱。憂鬱がなくなればいいのにと思うことが憂鬱なんだ、みんなそんなもんだよ、と私は解釈。 

 

私の主観で우울시계の魅力を書いてみた。他の人はもっと違った素晴らしい解釈をしているのかもしれない。本当のところは作ったじょんひょんにしかわからない。でも、もしかしたらこうなのかな?あれじゃないのかな?と完成した作品を様々な角度からじっくり触れることで作り手の思いに少しだけ近づけるかもしれない。

じょんひょんの曲は私の中では直感で好きな曲とあまりそうでない曲に分かれる。そして好きな曲を聴きこむ。けれども、直感であまり好きでないと判断した曲たちにも実は好きになる要素がたくさん隠れていると思った。作り手が思いを込めて1つ1つ作った曲たちをきちんと時間をかけてじっくり聴きたいなと改めて思わされる一曲だった。